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2021.02.17
忍者先生のパワエレ講座6

実際のスイッチは?

 

前回の終わりの方で、”ハーフブリッジとLC負荷で見てみましょう‼”と勢い良くいっていましたが、単相インバータで同じような動作をやっていましたね…なので、今回は次のステップに進みます。内容はどの部分にしようかと迷ったのですが、スイッチの駆動法に関しての解説をしたいと思います。よくよく考えたら、インバータで登場しているスイッチの駆動法って皆さんにお伝えしてなかったですよね。スイッチの動かし方は非常に肝になる部分なので、頑張ってついてきてください。

 

それでは早速、スイッチの動かし方に関してご説明させていただきます。そもそもパワエレの中で、スイッチとは半導体スイッチのことで、ダイオード、バイポーラトランジスタ、MOS FETやIGBTといったデバイスを指します。以前お伝えしてますよね‼今回は私にとって馴染み深いMOS FETの動かし方を解説します。このMOS FETの駆動方法を理解できれば、他のデバイスもその応用で動かせるようになると思いますよ。ちなみにですが、MOS FETの詳細(内部構造など)は参考・引用文献[1]をご参考ください。

 

 

 


ところで皆さん、実際にMOS FETのデバイスを見たことがありますでしょうか?図1はMOS FETが入ったデバイスパッケージ形状です[2]。もちろんすべてではないですよ。スイッチのパッケージといっても色々なパッケージがあり、電圧や電流値、あるいは用途によってその使い方は様々です。図1だけで簡単に説明すると、鼠色の電気を通す金属部分と黒色の電気を絶縁する樹脂部に分かれています。この樹脂の内側にMOS FETが入っており、(特許資料の図(図2)を参考とさせていただきますが[3])パッケージの中には四角に区切られたMOS FETのチップ(図2の番号では11)が入っています。これがワイヤーボンディングと言われる金属配線で図1の鼠色の金属部と接続されており、電気が流れるという仕組みなのです。これだけではよくわかりませんので、回路図と対応させてみます。

図3に示す[4]、TO-247のパッケージでは3本の金属端子の足が見えています。一般的に表面の左からGate(ゲート)、Drain(ドレイン)、Source(ソース)と呼ばれ、それぞれMOS FETの内部構造のゲート、ドレイン、ソースに対応しています(内部構造は参考・引用文献[1]のHPをご参照ください)。デバイス構造によっては配置が異なることもあるので、要注意です(特にGaN HEMTは左から、ゲート、ソース、ドレインもある)。図3を回路図で対応させてみると、図4の通りとなります。つまり、今までのスイッチではドレイン-ソースが回路図に接続されており、ゲートがなかったことになりますね。ゲートが新しくでてきましたね。実際の回路ではこのゲートとソースの間に電圧を印加して、MOS FETのオン/オフを実現するのです。このオン/オフを実現する回路はゲート駆動回路と呼ばれ、受動素子とスイッチで構成されています。回路図で書くとそんなに難しくないんですけどね…。実際に動かそうとするとどれだけ難しいことか…。

 

ここからはどんどん複雑になっていきますので、ゲーム駆動回路の中身は次にお話することとしましょう。

 

本日はここまで。お読みいただきありがとうございました。皆さま、コロナが再流行してきましたが、お身体ご自愛くださいね。

 

 

参考・引用文献

[1]新電元株式会社HP:  https://www.shindengen.co.jp

[2]Littelfuse Inc. HP:  https://www.littelfuse.co.jp

[3]ルネサンスエレクトロニクス株式会社、株式会社ルネサンス東日本セミコンダクタ特許:  https://www.astamuse.com/ja/published/JP/No/2014027293

[4]infineon Inc.  HP:  https://www.infineon.com