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2020.10.20
忍者先生のパワエレ講座2

 

インバータ

 

さて、みなさま宿題はできましたか?「どうやったら出力に正弦波電流が出力されるか?」でしたね。本日はそちら解説していきましょう!

 

まず、図1の単相インバータ+抵抗で考えてみましょう。ところで正弦波電流の形はわかりますか?わからない方は図2の波形をイメージしてください。

 

図1のスイッチS1,S2がDuty50%で交互にオン/オフした場合、負荷の抵抗には±Vin/2の電圧が印加されます。抵抗の電流は電圧に比例しますので、このままでは明らかに図2の正弦波電流にはなりません。では少し頭を切り替えて、入力電圧の大きさが任意で0からVin/2に可変可能であるとしたらどうなるでしょうか?では早速、図3にその状態を示してみました。上側の波形は抵抗の電圧と電流、下側の波形はスイッチS1,S2のオン/オフタイミングです。上図の左半分は図1の上側電源電圧を0~Vin/2で可変、下側電源電圧を0にした場合の電圧と電流波形で、右半分は上側電源電圧0、下側電源電圧を0~Vin/2で可変した場合の電圧と電流波形です。よく見ていただくと、あら不思議、図3のように抵抗の電流が正弦波電流に近づいているではありませんか。しかし、正弦波電流にはまだ遠い…カクカクしています。さらにこの電流を滑らかな正弦波に近づけるにはどうしたらいいのでしょうか?カクカクした電流をどうにかしたいと思いませんか?ここでお気づきの方もおられるかもしれませんが、一番簡単な方法はスイッチング周波数を上げること、つまりはスイッチのオン/オフの間隔を短くすればカクカクはしていますが、一周期ごとの電流間隔も小さくなり、正弦波電流に近づくと思われます。

 

 

では、図4に図3のスイッチング周波数を2倍にした電圧と電流波形とスイッチのオン/オフタイミングを示します。確かに電流波形は正弦波に近づいたような気がしますが…う~ん、抵抗負荷だとどうやっても電流がカクカクしてとびとびになってしまいますね。きれいな正弦波にするにはこの問題を解決する必要がありそうです。ここで思い出してください。電流を変化しにくくするには…そうです!電流の変化が嫌いなインダクタを使えばいいのです。

 

 

それでは図5に負荷を抵抗+インダクタに置き換えた場合を考えてみましょう。理想的なインダクタでは抵抗がないため、Ldi/di=V の関係から電流の上昇や下降が決まりましたよね。そのため、インダクタ負荷の波形は図5となります。ちょっとわかりにくいですが、赤の破線が電圧をグラフ通りに印加した場合です。インダクタ電流が0の状態から電圧を印加していますので、電流値は0より大きくなります。ところでですが、インダクタに寄生抵抗(ほぼ0Ωに近い場合)があれば、実線の通りになりますので、実際は実線の通りになるとお考え下さい。図からわかるように、かなり正弦波に近づいてきましたね!…あとはこれをさらに正弦波の近づけるには…そうです!スイッチング周波数を早くしてみましょう。そうすると、ほらっ!図6の通り、さらに正弦波に近づいてきました。やったね!

・・・

ここまで来ていうのもなんですが…現実において入力電源電圧はあまり変化させません…。説明しておいてすみません。 では入力の電圧を変化させずに正弦波にするにはどうしたらいいと思いますか?今回はこれが宿題です。ヒントとなるワードはPWMです(笑)。

 

本日はここまで。お読みくださり、ありがとうございました。