インバータとPWM制御
前回は「現実において入力電源電圧はあまり変化させません。」といいましたが、あんな風に電圧を変化させて正弦波を生成することはないという解釈にしておいてください。私の知っている限りなので、もし世の中にあったら申し訳ありません…。実際は次から説明する手法を取り入れながら、速度が早いときや遅いときに合わせて入力電圧は変化させています。
さて、話は戻しますが、他の方法で正弦波電流を生成するにはどうするのでしょうか。
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前回のヒントにありましたよね、PWMという手法です。PWMとはPulse Width Modulation の略でその頭文字をとっています。実はすでに皆さんはこのコラムで勉強しているのです。ところでこの英語は日本語で「Pulse=パルス、 Width=幅、 Modulation=変調」なので、なんとなく、パルス幅を変調するだろうなぁってイメージできそうですよね。そもそも、パルス幅って何ぞや??って感じですが、パルス幅=スイッチのオン信号の幅と思っておいてください。この制御ではいわゆる降圧チョッパのところで使用したスイッチのオン信号の幅=パルス幅を制御することになるので、PWM制御(パルス幅制御)と言われます。
図2や図3の通りのS1とS2は交互にオン/オフするので、S1がオンのときはS2がオフ、反対にS1がオフのときはS2がオンとなります。それではどのようにオン/オフさせるんだよってなりますが、簡単にいうと平均値が正弦波になるように制御(オン/オフ)してみてください。図3の上図の赤線は出力電力voをスイッチング周期で平均化したものです。なんか正弦波の電圧波形に見えませんか?それに対応した電流も青線で描いてみました。こちらも正弦波に見えませんか?ズバリ、スイッチのオン時間を制御することで、正弦波電流が作れるのです。ところで図3は頑張って描いてみましたが、如何せん私は絵が下手っぴなので間違っていればご指摘ください。
それでは周波数を早くしてみてはどうなるのか?気になりますよね。さっそく描いてみますか。
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難しいので…シミュレーションに逃げました(笑)。
楽したんじゃないのか!?という話は置いといて、図4の通りになります。周波数を早くすれば、出力電圧の幅は、スイッチング周期により狭くなるので、ほとんど確認できませんが、電流波形は綺麗な正弦波電流になっているのが確認できますよね。世の中の機器はこんな感じで正弦波を作ることもあるのだと思っておいてください。
本日はここまで。お読みくださり、ありがとうございました。
参考・引用文献
[1]金 東海,❝パワースイッチング工学[改訂版]-パワーエレクトロニクスの中核理論ー❞,一般社団法人 電気学会
——筆者のひとりごと——
最近また、日本でコロナ感染拡大が見受けられますね。今はじっと耐え忍ぶ時期かと思われます。辛い時期にさしかかっていますが、私たちに立ちはだかる辛い時期=立ちはだかる壁は乗り越えられない人にはこないものだと思っています。なんとか踏ん張り、コロナ終焉まで頑張って、この壁を乗り越えていきましょう!